「技術」自身が意思を持つ

[梅田望夫・英語で読むITトレンド]内の記事「ビジョナリー・Tim O’Reillyの仕事術」でとっても興味深いフレーズを見つけた。
「”技術”自身が意思を持つ」


元ネタはTim O’Reilly(エンジニアの端くれなら必ずお世話になったことのある、O’Reillyの本の会社を作った人)のインタビュー記事なんだけど、

「So, what we have to do is we have to keep finding the new transformative technologies. This premise underlies everything we do. There is a hacker frontier if you like, where new and interesting things come out and the people I sometimes called the “Alpha geeks” get out there and start experimenting with them and they say “Oh, it doesn’t work quite the way I want,” and they start pushing the envelope and they start showing us where the technology really wants to go. 」

この記事を読んで、梅田氏が以下のように解説をしている。

(1)まず新しい産業を変えるだけの力を持つ技術を見つける。(2)そういう技術については、「最も先鋭的なハッカー」と言ってもいいし、「アルファ・ギーク」と呼んでもいいが、「尖ったエンジニア」「最先端のプログラマー」たちが、その技術を用いて、ああでもないこうでもないと、いろいろと実験をしているものだ。(3)その挙句、「アルファ・ギーク」たちは既成概念の枠を超えた次なる高みに達する。(4) そして、「アルファ・ギーク」たちが、「where the technology really wants to go.」、つまり「技術自身がどこに向かっていきたいのか」を我々に示し始めるのだ。ちなみに、「アルファ・ギーク」とは、「技術」があたかも自らの意思を持った人間であるかのような言葉遣いをする人たちなのだ。そんなプロセスに寄り添うことで、Tim O’Reillyはビジョナリーとしての知見を得るのである。

長い引用ですいません。
んで、僕が興味を持ったのは、文章の内容とかじゃなくて、それらはぜーんぶふっとばして「技術」自身が意思を持つというフレーズ。

「技術自身がどこに向かっていきたいのか」を我々に示し始めるのだ。

この部分。
梅田氏は

「アルファ・ギーク」とは、「技術」があたかも自らの意思を持った人間であるかのような言葉遣いをする人たちなのだ。

と書いている。
そういえば、「技術は意思を持っている」って本当だよなぁ。と僕は思う。それは僕がアルファギークだからというわけじゃなくて、これは一般的な事象だと思う。
以下のような状況を思い浮かべて欲しい。
あなたはプロジェクトマネージャです。数人のメンバーとともに、あるプロジェクトをスタートする。最初は試行錯誤の連続だが、だんだんとプロジェクトのペースがつかめてくると、プロジェクトのメンバーどおしがうまく作用し始める。
すると、そのチーム自体がひとつの意思を持った物体として振舞い始める。チーム自体に何の手を貸さなくても、どんどんプロジェクトが進んでいく。あたかもプロジェクト自身が意思を持っているかのように。。。。
「技術」が意思を持つというのも同様の感覚だ。
その技術に関してがしがしコードを書いている。そして、そのコードに対していくつかのコメントをもらったりアイデアを追加したりして、どんどんコードが成長していく。成長していく過程の中で、ある日、その技術が「こんなふうになるのが必然である」ように振舞うのである。
それが顧客からの要望でもなく、エンジニアがやりたいことでもなく、技術がそうなるべきだと主張するわけである。その技術の進みたがる方向が、顧客の要望とマッチしているのか、それともエンジニアがやりたいこととマッチしているのか。まったく「技術」自体は気にしない。
「技術」自身が独自に声を上げるのである。
波に乗ってくると特に自分からうだうだしなくても勝手に動き始めるのである。
このあたり、先のプロジェクトマネージャとメンバーの話に非常に似ている。
プロジェクトがうまく回っている場合、メンバーはさまざまなアイデアを議論する。多くの要素がメンバー自身から発せられるのである。しかし、外的要因、例えば顧客の要望だったり、スキルの問題だったりにより、そのメンバーからのアイデアをうまく汲み取れないことが多くある。マネージメントの技量によっては、メンバーからのアイデアの重要性が理解できないこともあるし、その重要性が低く見積もられることもある。
同様に、「技術」がうまく回っている場合、「技術」自身が声を発する。それが、外的要因、顧客の要望、スキルの問題などなどにより、「技術」自身が発する声がうまく汲み取れていない。
もちろん、メンバーのアイデアがいつも正しい(「技術」の発する声がいつも正しい)とは限らないし、重要度もまちまちである。メンバーが(「技術」が)崖に向かって一直線に進もうとし始めるかもしれない。それらをうまく整理して進めていくのがメンバーといつも接しているプロジェクトマネージャ(技術といつも接しているエンジニア)であると思う。
メンバーがさまざまなアイデアを出してくれるような環境や雰囲気を作るのもマネージャの大きな仕事のひとつだと考えるのならば、「技術」が声を出してくれるような環境を作るのはエンジニアの仕事である。
「技術」が声を出してくれるのに必要なものは何だろうか。
もちろん「技術」自身のスキルも重要である。先鋭的な技術ほど、多くの声を出すであろう。
それ以外にも、汎用性だったり、自由度の高さだったり、カスタマイズのしやすさだったり、メンテナンスのしやすさだったりが、「技術」が声を出す理由になるのではないだろうか。
もちろん、その声を聞く側のスキルも問われると思う。言われてもどうしていいかわからなかったり、言われているのに気が付かなかったり。
自分にアイデアがそれほどなくても「技術」自身がすんごいアイデアを持ってたりするかも。
メンバーどおし、じっくりアイデアを練るのもいいが、たまには、「技術」と向き合って、「技術」の声に耳を傾けてみるのもいいかもしれない。
それ以上に、「技術からのメッセージを受け取る環境」ってのを丁寧に考えるのは、とっても重要だと思う。
「技術に対する、真摯な姿勢」っていうのかなぁ。なんとなくそんな感じって、しばらく忘れてたなぁって。
おらの書いたソースコードはいつも「バグがいっぱいであちこち痛いんじゃ。」とぼやいているようで。。。。(骨ずれてる?)
[梅田望夫・英語で読むITトレンド]内の記事、顧客志向の製品開発は、正しいけれど、つまらないに書かれている以下の文章。

Intuitも尊敬に値する会社であることは間違いないのだが、やっぱりシリコンバレーは、顧客の横でソフトの使い方をじっと観察するなんて「そんなことやりたくねぇよなぁ」と思う凄腕エンジニアたちが、顧客をびっくりさせ、そして感動させる製品やサービスを生み出すために存在しているのだと、僕は思いたいのである。

顧客の声も大事だけど、エンジニアとしては「技術」の声を一生懸命聞いちゃうところが、わくわくするところなんだと思う。
商売としては、バランスを取らなきゃだめなんだろうけどねぇ。ちゃんとバランスを取らないと、オタクって言われちゃうから。。。
神様が降りてくるって言い方するよね。
「技術」が意思を持つって感覚。
どうにも、僕の文章力が足りなくってうまく書けない。。。。
最近、神様降りてきてないなぁ。。。

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