リーダーとマネージャの違い

3足ワラジ日記リーダーとマネージャの違いという記事に対するトラックバック。

リーダは,自分より頭のいい人を使いこなせますが,マネージャは,部下を自分より下に見ると思います.そういう意味で,大きな企業でマネージャレベルだったからって,良きリーダとは限りません.

という記述がちょっとひっかかったので、これについて書いてみる。
恐らくここで定義されている「マネージャ」と「リーダー」という言葉の定義がどうも僕の中の定義と違っているのが原因で気になるのかもしれない。
企業におけるマネージャにもさまざまな分野があるんだと思う。
これは大企業のマネージャだろうが小企業のマネージャだろうが、関係ない。ただ単に、マネージする内容が違うんだと思う。
マネージャとは「部下をマネージするのが仕事」という表現は間違っていると考える。
ここではあえて「マネージ」という用語を出してこれを「管理」とは言い直さない。あくまでも僕の中では「マネージ」である。
ちいさなIT関係のプロジェクトを想定する。
5人以下のチームで開発を行う。週1回、進捗報告をチームリーダーに対して行われ、チームリーダーは指示を出す。チームリーダーは他のチームとの連携のためのミーティングを持ちその情報を自分のチームに持ち帰り利用する。逆に他のチームに情報提供することもある。
このような形態は安易に想定できると思うが、このようは形態はどのようにして成立したのであろうか。
週1回の報告ひとつとってみても、誰かがそのルールを作り、みんなに守るように指示し、実際に実現するという事柄があるのである。
一旦、実現されて行動にうつされてしまえば、あとは日々の日常として回っていく。
日々の日常として回していく能力と、仕組みを作り上げる能力は別物だと僕は考える。
もちろん、何千人もの人をマネージする能力はマネージャとしてはすばらしいものであると思う。だからと言ってその経験が5人のチームをマネージするための仕組みを作り上げる能力とは一致しないと思う。逆に仕組みを作りあげる能力が高くても人をコントロールすることができない人がいると思うし。。。
既に仕組みが出来上がっている状態のマネージを引き継いだだけなら、その経験はその経験だけであるが、仕組み自体を作り上げた経験は別のものであるし、その上でのその仕組みを維持する経験は、相乗効果でそれ以上かもしれない。
作り上げる能力と、維持する(運用する)能力は別なのである。

マネージャとしての知識やノウハウで,リーダとして頑張ろうとすると,どうしても苦しくなるのです.

僕の中でのリーダとは、「その人は信頼できるな。ついていこうかな。」と思える人だ。でもリーダーはマネージとは別の次元だ。
別にリーダが僕をマネージしなくても、マネージは別の人でも関係ない。
僕が想像するに、Appleのスティーブジョブズはよきリーダーだと思う。しかしよきマネージャかどうかはわからない。
先の例でいけば、リーダーに作り上げる能力が高いとか、運用する能力が高いとか、あんまり関係ないのである。
僕にとってリーダーとは、信頼できるか。ついていこうかなと思わせるか。ただその点だけだと思う。
仕組みを作り出す人が仕組みを作り上げ、リーダーが旗を振ってみんなをその仕組みの中で協調するようにして、維持運営する人が日々の運営を行っていく。
もちろん、それぞれの役目は兼任していてもいいし、ごっちゃにしていてもいい。
でも、ちゃんとその違いは考えていたほうがいいと思う。
おみこしの上にのっかている人と、おみこしを担いでいる人と、担いでいる人をうちわで扇いでいる人と、おみこしの先頭で道案内している人と、おみこし自体を作っている人と。
どれが得意かとか、好きかとか、は人それぞれです。

「リーダーとマネージャの違い」への1件のフィードバック

  1. 「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を読んだ…

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