Logicool TV CAM HDが使えなくなってしまったので、別途Skype専用端末を用意している。
そのメモ。
telyHDは、Logicool TV CAM HDが使えなくなった今日でも使えているらしいので、それを視野に入れつつ。
このSkype専用端末は、妻の母が使用する。彼女はスマホの経験も無ければパソコンの経験も無い。マウスでクリックの概念すら怪しい。
Logicool TV CAM HDを使っていたときは、ムスメしか連絡先にいれていなかった。これにより、リモコンのOKを連打すれば、とりあえず、繋がった。受信もLogicool TV CAM HDから呼び出し音が聞こえるので、リモコンでOKを押せば十分。
とはいえ、テレビのHDMIの入力切り替えをしなきゃならなかったため、テレビのリモコンと、Logicool TV CAM HDのリモコンとの両方を操作する必要があった。
普通にパソコンにSkypeをインストールしただけでは、パソコン未経験者にとってSkypeは難しすぎる。
今回のプロジェクトは、「いかに簡単にムスメとテレビ電話ができるか」の一点のみを重視する。
使い方は以下の通り
- ムスメを呼び出す場合は、
- ノートパソコンのふたを開ける。
- ALTを押しながら1を押す。
- ムスメからの呼び出しに答えるときは、
- ノートパソコンのふたを開ける。
- ALTを押しながら「Enter」を押す。
- 終了は、
- ALTを押しながら「BackSpace」を押す。
- ノートパソコンのふたを閉じる。
- 音量を変更するときは、
- ALTを押しながら上矢印または下矢印。
- テレビ電話の上に何か表示されたら、
- ALTを押しながら、Esc。
- 困ったことになったら、
- ムスメに電話する。
- または、「デンゲン」ボタンを長押しして、電源を切り、再度「デンゲン」ボタンを押して電源を入れる。
これくらいの操作であれば、どうにかなることを確認。
キーボードのALTには、赤丸のシールが、1のところには、ムスメの名前の一文字のシール、Enterには「受」、BackSpaceには「切」、Escには「?」、上矢印や下矢印には、音量の絵のシールを貼りつけてある。「デンゲン」ボタンはでっかく「デンゲン」と。
この説明はデスクトップに画像として常に表示されるようにしてある。もちろん、シールに対応した説明。忘れてもノートパソコンのふたを開けることさえできれば、この説明を読んでなんとかなる。
不用意にソフトウェアのアップデートなどが走って、想定外のメッセージが表示されると妻母は混乱するので、そのあたりをできるだけ減らす。
現在のところひとつだけ問題があって、呼び出した後、相手が応答してくれなかった場合に、呼び出しを中止する術が無い。マウスが使えるのなら、切断のボタンをクリックすればよいので、この場合のみ、マウスの使い方を説明した。やっぱりよくわからなかったのか、妻母は、呼び出して応答がなかったときのことを考えて、呼び出しを躊躇するようだ。
この端末のセットアップは以下の通り
ぶっちゃけて言ってしまえば、
- Ubuntuにskypeをセットアップして、必要なコマンドにショートカットを割り当てた。
- 驚かないように、できるだけ必要無いポップアップやメッセージを避けるため、アップデートなどはすべて手動にした。
ということ。
以下の説明は実際にやった作業とは違って、こっちに帰ってきてから、うちの仮想環境で再現をしながらスクリーンショットを撮っている。
妻の従兄弟がパソコンに詳しくて、彼が使ってない古いラップトップを用意し、ある程度まで準備してくれた。それにちょっと手を加えた形になっている。
Ubuntuがちゃんとわかっているわけではない状態で試行錯誤しながらやったので、もっとうまいやりかたをご存知の偉い人、教えてください。
Windows 7を削除してUbuntu Desktopを入れる。16.04。日本語設定。
「自動的にログインする」という設定にしてある。これ重要。忘れたら、「ユーザーアカウント」の項目から設定しておく。
普通にUbuntuがインストールされた状態ができあがった。
右上のアイコンをクリックして出てくるメニューから「システム設定…」、「画面の明るさとロック」をクリック。
ロックをオフにしておく。ついでに画面のオフまでの時間も長めに1時間。
> sudo apt-get update
> sudo apt-get upgrade
Terminalから、ソフトウェアのアップデートを一応。必要なら、apt-get dist-upgrade。たまたまkernelのアップデートも入ってたので、再起動。自動ログインの確認。
UnityのDashから、Softwareと入力し、「Ubuntu Software」をクリック。
「インストール済み」のタブを見ると、必要無いソフトがごまんと入っているので、ざくざく削除。これは、無駄なアップデートを抑制する意味がある。無理してやらなくてもいい。
実際に削除したのは、
- AisleRoit ソリティア
- Firefox ウェブ ブラウザ
- GNOME マインスィーパ
- GNOME 上海
- LibreOffice
- LibreOffice Calc
- LibreOffice Draw
- LibreOffice Impress
- LibreOffice Math
- LibreOffice Writer
- Rhythmbox
- Thunderbird電子メールクライアント
- Transmission
- ブラウザー
- 数独
- カレンダー
本当は、Terminalからやりたいんだけど、dpkg -lで一覧を表示すると、大量に出てきてわけがわからなくなるので、GUIから削除。もっといろいろ削除できるはずなんだけど、途中でめんどくさくなって、こんなところ。結構いろいろ、削除に失敗する。まーいーや。
> sudo apt-get autoremove
でさくっと掃除。
ついでに、「システム設定」の「ソフトウェアとアップデート」を選択し、「アップデート」のタブを表示。
アップデートをできるだけ自動で行なわないようにする。
これは、アップデートに関しては僕がリモートで行い、自動で行なったことによる、予想外のメッセージの表示を抑制する。
次に、Skypeの導入。DownloadのページからGet
ディストリビューションは、Ubuntu 12.04 (multiarch)を選択。
Skypeのページの日本語訳はめちゃめちゃなので、注意。
ダウンロードしてきた、debファイルをクリックすると、Ubuntu Softwareが起動されるので、「インストール」をクリックしてインストールする。
/usr/bin/skypeにインストールされるので
> skype &
で、起動。
言語の選択と利用規約、プライバシーポリシーに同意する。
うちはSkype名でアカウントを作ってあるので、Skype名をクリック。
右下の「自動ログイン(パスワードの保存)」にチェックした後、あらかじめ用意してある、妻母のアカウントでログインする。
メニューの「Skype」-> 「オプション(O)」を選択。各種設定を行なう。
「一般」では「コンタクトをダブルクリックするか、またはアドレス欄利用で」を「通話の開始」に、「システムトレイ内で最小化したSkypeを開始」にチェックする。
「プライバシー」では、「通話を許可するユーザー…」を「許可した人のみ」にする。
もし、呼び出しの際に自動につながるようにする場合は、「受信通話に自動応答。」にチェックを入れる。ただ、これをやると、呼び出し音なしに、いきなりつながるので、「おーい、パソコンあけてくれー」と毎回さけぶことになるし、留守でもつながってしまう。それはそれで便利です。かあちゃん、部屋で倒れてないか?って心配なときなんか。。。なんで、お好みでどうぞ。
「ビデオデバイス」では「通話中にマイビデオを自動的に開始する」にチェックを入れる。
「詳細」では「Skype WiFiを有効にする…」「開始時に更新を確認する」「通話中Skype透かしを表示」からチェックをはずす。
「ショートカット」では、「ショートカットキーを有効化」にチェックを入れ、すべてのショートカットそれぞれにチェックを入れる。
次にSkypeの自動起動の設定
UnityのDashから、gnome-session-propertiesと入力し「自動実行するアプリケーション」から、/usr/bin/skypeを登録する。
一度、再起動して確認。ついでにムスメとビデオ通話できることを確認。このとき、ビデオ通話の画面を最大化しておく。
ショートカットキーの設定。
「システム設定…」の「キーボード」から、「ショートカット」のタブを開く。
ここで、独自のショートカットの中にSkypeに関するショートカットが用意されているので、以下のようにショートカットキーを設定
- Skype 応答 -> Alt+Return
- Skype 通話終了 -> Alt+Backspace
- Skype 前面化 -> Alt+ Esc
これに加えて、
- 名前:Skype <skype名>
- コマンド:skype –callto <skype名>
を追加して、Alt+1のキーを割りあてる。
もし呼出先を複数登録する場合は、Alt+2、Alt+3を使えばいい。
ついでに「音とメディア」の中の「音量を下げる」「音量の上げる」のショートカットをALT+下矢印、ALT+上矢印に変更しておく。これはノートパソコンによっては必要無いかもしれない。
保険にTeam Viewerをセットアップ
ライセンスをAccept。
ターミナルから、teamviewer &で起動できる。
「Start TeamViewer with system」にチェックを入れておく。
メニューの「Connection」->「Setup unattended access…」を選択
Next
コンピュータ名とパスワードを設定して、
このへんは、お好みで。
最後に表示されるIDをメモしておけば、何か問題がおきても、こっちから操作できる。
欠点は、リモートから操作した後に、たまに、上のようなダイアログが表示されること。これは、妻母の混乱を誘う。
最後に「システム設定」の「外観」から壁紙を変更。Launcherアイコンを最小にしておく。また、省電力で電源が落ちないように、スクリーンセーバーが走らないように設定する。
Launcherにあるアイコンから必要のないものをすべて削除。
再起動からひととおり動作確認してできあがり。
いや、自画自賛じゃないけど、よくできた。
唯一の問題は、呼び出した後、相手が応答してくれなかった場合に、呼び出しを中止するショートカットがみつかってないこと。
誰か教えてぇ。
で、実際に使ってみての反省点として、
- CPUの問題なのか、カメラが古いからなのか、Skypeでの画面が荒い。ネットワークの問題ではなさそうなので、圧縮展開にCPUが追いついてない感じ。カメラに圧縮機能がついててかつ、HD対応のやつに変更したり、PCを交換してCPUを速いやつに変更しないとだめか。
- キーボードだと、操作を簡単にするのは、このあたりが限界かな。次はジョイスティックとか。
- ノートパソコンではやっぱり画面が小さい。せっかくでっかいテレビがあるんだから、そっちにHDMIで繋がないと。用意してもらったノートパソコンにはHDMIがなかったので残念。
- Skype専用端末に高価な設備を調達するのはちょっと気がひける。でもやっぱりお金をかければ解決する問題がいろいろと見つかる。どのあたりに妥協点を見いだすのかが難しい。