Raspberry PiオフィシャルのHQ Camera Kitにはレンズが付いていないので自分で調達する必要がある。オフィシャルからは望遠レンズと広角レンズを別に購入することができる。で、こいつでピントを合わせるのに頭を抱えたのでメモ。
ちゃんとドキュメント読めば書いてあるんだけどね。
俺はCana Kitから調達。
The High Quality Camera is designed to accept CS-mount lenses. An optional adapter is supplied to extend the back focus by 5mm, such that the camera is also compatible with C-mount lenses.
https://static.raspberrypi.org/files/product-guides/Raspberry_Pi_High_Quality_Camera_Getting_Started.pdf
まず前提知識として、CCDカメラ、ビデオカメラ用のカメラマウントとして、CSマウントとCマウントとがある。CマウントもCSマウントも口径、ねじピッチは同じだがフランジバック(レンズのマウント面から撮像素子までの距離)が違い、Cマウントの方が5㎜長い。(CSマウントの方が5㎜短い)
HQカメラきっとのマウントはCSマウントで設計されているが、上記の理由によりアダプタをかませて5mmの距離を稼げば、Cマウントのレンズを取り付けることもできる。
左が望遠レンズ16㎜ 1.4F、右が広角レンズ6mm 1.2F。 下が5㎜のアダプタ。
望遠レンズはCマウント、広角レンズがCSマウント。ということで、この5㎜のアダプタは望遠レンズの方にとりつける。
次にカメラ側。上のねじを緩めるとバックフォーカスの調整ができる。が、バックフォーカスは一番短い状態にしておけば今回の2つのレンズでピントがでる。
ということで上の写真はバックフォーカスが長くなっているので間違い。一番短くする。
6㎜のレンズの構造を観察。前のOPEN-CLOSEが絞りの調整。ピントを合わせるときはOPEN側にしておき、被写体深度を浅くしておく。大体のピントがあったところで、適宜深くする。
NEAR-FARというのがピントの調整。こいつに騙された。
レンズをカメラにねじ込むネジの方でもピントの調整ができるんだよね。でも本当はレンズ側のねじの方でピントの調整をした方が長い距離の調整ができる。このつまみみたいな、飛び出たねじは一旦調整の済んだピントを固定するためのねじであって、つまみではない。
ということで、絞りの方にある飛び出たねじも同様に固定するためのねじであってつまみではない。こいつをつまんで被写体深度を変更しようとすると、被写体深度の調整リングが動かずに、ピントのねじが動いちゃって頭を抱える。
この辺を理解するのにえらい時間がかかった。
で、どうやってピントを合わせるかなのだが、なぜか僕のraspividコマンドやraspistillコマンドはプレビューが表示されない。
$ raspistill -t 0
なんかググると上のコマンドでみんなプレビュー出てるっぽいんだけどな。
ということで、
$ raspivid -o - -t 0 | cvlc -vvv stream:///dev/stdin --sout '#rtp{sdp=rtsp://:8080/}' :demux=h264
でカメラの画像をストリームしておいて、WindowsのVLCでメニューの「メディア」->「ネットワークストリームを開く」から
rtsp://raspberrypi:8080/
でストリームを表示しつつピント合わせ。ちょっと遅延があってやりづらい。
秒針がある目覚まし時計などを被写体にしてピント合わせすると、遅延があってもちょっとだけまし。
ピントが合った状態で、こんな感じになる。後ろはぴったりくっついていて、真ん中にちょっと隙間ができる。この隙間を使ってピントを合わせる感じ。って言っても結局レンズの後ろと撮像素子との距離を調整してるだけなんだけどね。
あたりまえだけど、広角はゆがむな。
16㎜の望遠レンズはこんな感じ。
先の6㎜のレンズは前が絞りで後ろ(?)がピント調整だったが、この16㎜のレンズは、前がピント調整で後ろが絞り。前玉が動いてピントを合わせる。
調べてみると、EF/EF-SとCSマウントのアダプタも売ってるみたい。いやいや、レンズが大きすぎるでしょう。