ちょっと前から気になっていた、SDR。SDRとはSoftware Defined Radioの頭文字。要するにラジオのことなんだけど、今までのラジオは電子部品でほとんど構成されていた。で、このソフトウエアの時代の昨今、受信した電波をA/D変換してデジタルにして、信号処理を全部ソフトウエアでやっちゃうのがSDR。
で、ソフトウエアをパソコンで動かしたら、ラジオの色んな操作がパソコンでできる。
最近だと、地デジとかワンセグをパソコンで見るUSBの装置があって、それが結構SDRに近いことをやっている。ぶっちゃけ、地デジとかワンセグをパソコンで見るUSBのやつを改造して、それ以外の電波を受信してうんぬんってのも、あちこちのBlogで見かける。
今回調達したのは、結構定番と呼ばれるこいつ。アンテナから接続ケーブルまで一通りついてくるので、あとはパソコンがあればラジオになる。無線関連の機材はみんな実家に置きっぱなしなんだよね。
アンテナさえ調達できれば、このUSBドングルで500kHzから1.7GHzまで受信できるらしい。感度は知らんけど。
内容物はこんな感じ。コネクタが無線でよく使うBNCじゃなくて、SMAと呼ばれるちっこいやつ。
このアンテナがなかなか優秀で、昔あった伸ばして使うアンテナなんだけど、この伸ばす長さによってさまざまな周波数帯に対応するらしい。もちろん高価な広帯域アンテナにくらべたら、簡易なものだけど、俺が使う分には十分。
給電部近くのケーブルにはコアも入ってる。
アンテナの説明はUsing Our New Dipole Antenna Kitに書かれている。
長いアンテナ | 5節 | 100cm + 2cm | ~70MHz |
1節20 cm | 4節 | 80cm + 2cm | ~87MHz |
3節 | 60cm + 2cm | ~115MHz | |
2節 | 42cm + 2cm | ~162MHz | |
1節 | 23cm + 2cm | ~285MHz | |
短いアンテナ | 4節 | 14cm + 2cm | ~445MHz |
1節3cm | 3節 | 11cm + 2cm | ~550MHz |
2節 | 8cm + 2cm | ~720MHz | |
1節 | 5cm + 2cm | ~1030MHz |
FMラジオより上を受信する分には十分。中長波はどうせ電線引っ張りまわすんだし。
先のサイトでは空き缶を使って衛星を受信する例も書かれていた。
ミニ三脚で机の横にアンテナを立ててもいいし、吸盤で窓ガラスにくっつけてもいいし、これは便利だ。
で、本体のセットアップ。詳細は、RTL-SDR.COMのQUICK START GUIDE。
Windows10に、.NET5のラインタイムを入れておく。x86用のラインタイムが必要らしい。俺のPCは既に開発環境が入っているのでいれてない。
airspy.comの上からDownload。Software Defined Radio Packageと書かれているところの右にあるDownloadボタンからzipをダウンロードして展開。(展開必須)展開先は書き込み権が必要。
展開先にある、install-rtlsdr.bat をダブルクリックして起動とドキュメントには書かれているが、僕はDOS窓で起動。(BATをダブルクリックするのは、どうにも気持ち悪い)batchの中では、RelWithDebInfo.zipをダウンロードして中からrtlsdr.dllをコピー、またzadig_xp-2.2.exeをダウンロードしてきている。
rtlsdr.dllのソースコードはhttps://git.osmocom.org/rtl-sdr/ zadig.exeはhttps://github.com/pbatard/libwdiのexamplesかな。
次に、RTL-SDRのUSBドングルをPCのUSBに接続。
zadig.exeを起動。メニューのOptionsで、List All Devicesを選ぶと、USBに接続されているすべての機器がコンボボックスで選べるようになる。Bulk-In, Interface (Interface 0)というのが今回対象のUSBドングル。こいつを選択。Interface1というのもあるけど、これは無視。(先のドキュメントでは、RTL2832UHIDIRやRTL2832Uって表示されているかもしれないとのこと。)
選択すると、USB ID欄に0BDA 2838 00と表示されているはずなので確認。ここの数字が間違ってたら、コンボボックスの選択が間違ってるとのこと。
次に、緑の矢印の右側に表示されているものをWinUSBになるようにその横のスピンボタンで変更。最後にReplace Driverを押してドライバの更新。Windowsがこのドライバに関する警告を出すが、インストールする。
これは何をやっているかというと。。。。
USBを刺すとWindowsがUSB機器に対応したドライバを勝手にインストール、マッピングをするのだが、こいつが間違っている。で、正しい(WinUSB)にマッピングしなおす作業だ。
ここまででドライバのインストールは終了。
あとは、SDRSharp.exeを起動、SourceのウィンドウにあるドロップダウンからRTL-SDR (USB)を選択。あとは左上にある再生ボタンを押せば、ラジオとして機能する。周波数を合わせれば音が出るはずだ。
周波数の設定はちょっと奇妙な操作。数字の上半分を押すとその数字が大きくなり、下半分を押すとその数字が小さくなる。
まずは、FMラジオを受信して使い方を覚えるといい。
歯車のボタンを押すとRTL-SDR Controllerというウィンドウがポップアップする。ここの下の方に、RF Gainというのがあるのでこのスライダーを調整すると、電波を増強して受信してくれる。
28.8MHzより下を受信する際は、一旦、停止したのち、先の歯車ボタンからRTL-SDR Controllerを表示。Sampling ModeをQuadrature samplingからDirect sampling (Q branch)にする。アンテナは自分で調達する必要があるけど。
ドングルのノイズなのか、俺の部屋にPCがいっぱいあって、それからのノイズなのか、なんかノイズ多いな。
とはいえ、おいらの無線ラジオの知識は20年前で止まっているので、そのときから比べれば圧倒的に感度がいい気がする。